KOBAYASHI DENTAL CLINIC

COLUMN

  • 歯の治療について

歯根嚢胞(しこんのうほう)とは

歯肉に“ニキビ”のような白いできものを見つけたことはありませんか?

それは「歯根嚢胞(しこんのうほう)」といい、歯の根っこの先端部分にできる袋状のものです。

内容物は膿です。

決して、歯肉にできる”ニキビ(内容物は皮脂)”というものではありません。

歯根嚢胞は歯槽骨(歯肉の中で歯を支えている骨)を溶かしてしまうというけっこう怖い疾患です。

身体の中に作られた液状内容物を含む袋状のものを嚢胞と呼びます。

今回は歯根嚢胞にスポットを当ててお話をさせていただこうと思います。

歯根嚢胞(しこんのうほう)の詳細

歯根嚢胞は決して珍しい疾患ではなく、日常の診療ではよく見かける疾患です。

歯根嚢胞は、歯髄(神経や血管が存在)が壊死した歯(失活歯)や、過去に歯髄を除去した歯(根管治療を受けた無髄歯)に生じます。

歯髄が壊死してしまう主な原因は細菌感染です。

歯髄がある管状の部分(根管)内に何らかの理由で細菌感染が起こると、根の先端(微小な穴が開いています)を通じて顎の骨にも感染が広がり膿がたまります。

歯根嚢胞(しこんのうほう)の症状

歯根嚢胞の症状には以下のようなものがあります。

①慢性状態であれば、歯肉部分の腫れ(根尖部の腫脹)や痛みなどの自覚症状はありません。

(そのため、レントゲン撮影で初めて発見することも多くあります。)

②感染が起こった場合(慢性からの急性転換)は、

  • ・根尖相当部の腫脹
  • ・自然痛(何もしなくても痛い)
  • ・咬合痛(咬むと痛い)
  • ・歯肉に瘻孔(膿の出口)をつくる

といった様々な症状が現れます。

そのまま治療を受けずに放置していると歯根嚢胞が大きくなってしまいます。

その結果、

  • 歯槽骨が溶ける
  • 歯根が溶ける
  • 歯の動揺
  • 上顎なら鼻閉や眼球圧迫
  • 下顎では骨折などの症状が現れることもあります。

歯根嚢胞(しこんのうほう)の治療方法

治療法には以下のようなものがあります。

①根管治療(嚢胞が小さい場合)

歯、被せ物、詰め物などを削って、根管内から清掃、洗浄、消毒を行います。

痛み、歯肉の腫脹、排膿が治まったら、根管に薬剤を詰めて被せ物や詰め物をします。

②嚢胞摘出術

麻酔をして、嚢胞付近の歯茎を切り開いて歯根嚢胞を取り除き、洗浄後に切り開いた歯肉を糸で縫います。この際、感染源である歯根の端を少し削除します(歯根端切除術)。

状態によっては、歯根の削除面に歯科専用の材料を詰めることもあります。これは逆根管充填と言い、被せ物や詰め物が除去できない、または根管の形状が複雑といったような根幹治療ができない場合に行われます。

③抜歯(治療ができない場合)

炎症が大きく、どの方法を用いても歯を残すことが難しい場合は抜歯となります。

以上が歯根嚢胞のお話でした。

歯根嚢胞は一般歯科(口腔外科)でも治療ができ(場合によっては総合病院や大学病院)ので、歯肉に”ニキビ”のようなものを見つけた場合は放置せずに歯科医院を受診してください。

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