【実態調査】栄養相談オーダー票を活用した歯科外来栄養相談の実態
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【実態調査】栄養相談オーダー票を活用した歯科外来栄養相談の実態

平澤風歌,小林健一郎,櫻井薫,川口美喜子

こばやし歯科クリニック(東京都)
大妻女子大学家政学部食物学科

 

【目的】

近年歯科診療所の管理栄養士による栄養相談への関心が高まっているが、歯科診療所における外来栄養相談の特徴や意義に関する報告は少ない。当院では、既報のように「栄養相談オーダー票」(以下オーダー票)を活用し、多職種の依頼および患者の希望で栄養相談を行っている。そこで、当院における歯科外来栄養相談の実態を調査し、歯科診療所における外来栄養相談の意義を検討する。

【方法】

2022年および2023年に当院で栄養相談を受けた患者について、オーダー票のチェック項目、栄養相談内容、初回アセスメント後の食事栄養課題を集計した。栄養相談内容は、患者の栄養相談記録より分類した。食事栄養課題は米国の栄養と食事のアカデミーが設定した栄養診断コードに基づいて分類した。期間内の新規栄養相談患者の継続相談の有無により継続率を算出した。

【結果と考察】

2022年および2023年の新規栄養相談患者は86名であった。

オーダー票は複数選択可能であり、チェック項目は「かめない」が19件で最も多く、次いで、「義歯」17件、「口内炎」11件の順に多かった。

栄養相談内容は「生活習慣病・歯周病予防」が26%で最も多く、「体重減少・低栄養への対応」22%、「フレイル予防」22%であり次いで多かった。

食事栄養課題は、「たんぱく質・エネルギー摂取量不足」が26%で最も多く、次いで「最適量に満たない栄養素摂取量の予測」22%、「たんぱく質摂取量不足」15%の順に多かった。

継続率は2022年50.0%、2023年63.6%であった。以上より、歯科診療所で「かめない」、「義歯」という歯科的視点によるオーダーのもと外来栄養相談を実施することで、「たんぱく質・エネルギー摂取量不足」、「最適量に満たない栄養素摂取量の予測」に関する食事栄養課題を早期に発見し、要介護状態および生活習慣病になる前の段階で、半数以上の患者は継続的に対処出来ていることが分かった。

特に、当院では、噛めないという歯科的視点による栄養相談のオーダーから、本人に自覚が少ない体重減少・低栄養を発見し、早期に対処出来たと考えられる。

したがって、歯科診療所に通う患者へ外来栄養相談を実施することで、食事栄養課題を抽出し、フレイル予防・生活習慣病予防に寄与できたと考える。
(COI開示なし:大妻女子大学 倫理審査委員会承認番号05-040)

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